中足骨疲労骨折（甲の痛みや腫れ）

10代のスポーツ選手に多発する障害で、一般的にはオーバーユース（使い過ぎ症候群）で片付けられていますが、同じような体格、同じような運動量にもかかわらず、起こす者と起こさない者に分かれます。この差は一体どこにあるのでしょうか。
その答えは「外反母趾」や「浮き指」または、その両方の「外反浮き指」なのです。親指が曲がったり浮いているため、長時間歩いたり、一日中立っている仕事で親指側の圧迫が繰り返され、気づかないうちに疲労骨折が起こるのです。

症状

どこかに足をぶつけたなどの明らかな外傷がなく足背部に痛みを感じます。長時間歩いた後や急に激しいスポーツをした後に、足背部が痛んだり腫れたりします。立ったり歩いたり足を使うと痛みや腫れが出て、安静にすると治まってくるというのが特徴です。第２・３中足骨に起こり易いです。第５中足骨に起こった場合は難治性の場合が多い（ジョーンズ骨折）。患部を手指で強くつまんでみると限局性の圧痛があります。疲労骨折の初期・中期ではＸ線像では異常は写りませんが、症状を診て疲労骨折を疑って処置する必要があります。疲労骨折の後期に入ると、仮骨形成され、骨の膨隆（肥厚）が確認できます。必ず健側（痛くない反対側の足）と比較してください。

原因

「浮き指」「外反母趾」「扁平足」などにより足指の力不足があると、歩行時に母趾が外方向に押される「力点」となり、「支点」が母趾球部となるため「作用点」上の中足骨に力が逃げていきます。この一回の外力は微々たるものですが、これがスポーツや日常生活で反復（繰り返される）するため、気づかないうちに損傷を起こしてしまいます。第２・３中足骨では骨幹部、第５中足骨では基部に発症するのは、そこが「作用点」上だからです。足指に踏ん張る力がある人は、指先がブレーキの役割を果たすので、母趾が外方向に押されることがないため、このような損傷を起こすことはほぼありません。これが同じ体格・運動量で中足骨の疲労骨折を起こす者と起こさない者の差なのです。

対処法（自分でできる改善法）

足裏のバランスを整え、足指を踏ん張らせて正しい歩行を促し、「作用点」上に力が逃げないようにし、患部の安静を保ちます。
具体的には、「痛みのある場合のテーピング法」を行っていきます。自分で行う場合は“包帯と３本指靴下の併用法”（緩んだ中足関節を弱めに補強をするため、伸びない包帯を甲部分に軽く巻いて、その上からテーピングの代わりとなるテーピング靴下を併用する方法）を行うと１～２ヵ月程で改善されます。また、もう一つの改善法としてテーピング靴下の上に筒型の外反内反Wサポーターを１～２ヵ月間使用することをお勧めします。

痛みのある場合のテーピング法

包帯と靴下の併用

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医師の判断を優先され、あくまで「自分でできる未病改善」の参考として下さい。