スポーツ障害と浮き指

サッカーや陸上、ラグビー、空手に多く見られる。まれな痛みだが一度発生すると痛みが消えるまで一年間を要し、スポーツを中止しなければならない場合がある。早く原因に気づき、サラシ包帯固定で股関節を安静に保つと3ヶ月～6ヶ月でスポーツに復帰できる。 この恥骨結合炎は患部への直接的な施術は難しいが、サラシ包帯で股関節の固定というこの一点が重要な治療ポイントとなる。サラシ包帯による股関節の固定は思ったほど苦しくなく、復帰を早める効果がある。 接骨院として40年間の施術の中で症例は11件と少なかったが、サラシ包帯固定をすることにより7人は復帰することができた。残りの人は転療していった。

症状

最初は、軽い痛みがおなかや股のつけ根、内ももの筋肉に起こる。次第に股のつけ根、恥骨結合部に痛みをはっきりと感じるようになり、この部分の骨の表面を押すと激痛がある。運動時にも激しい痛みがあり、プレーを中止してしまうことが多い。

原因

「恥骨結合炎」と専門医に診断され、いくつかの整形外科を廻ってその中の一治療院として当院を訪れた人達の足を調べると、いずれも浮き指や外反母趾、又その両方の外反浮き指が見られた。

更に詳しく調べると足裏に左右差があり、この足裏の左右差を補うため、股関節、骨盤（仙腸関節）にもズレ、歪み（左右の高低差）などが見られたことから、当然、左右の骨盤の継ぎ目になる恥骨結合部にもズレや歪みが以前よりあった事が考えられ、これが同じ条件下でスポーツをして「恥骨結合炎」を起こす人と起こさない人との差になっていると結論づけることができる。

○力学的メカニズム

骨盤の下部に恥骨があり、真ん中には継ぎ目があります。この継ぎ目にズレ、歪みがあると、スポーツ時に両方の恥骨結合部に負担が集中し、骨と軟骨がこすれを繰り返し、次第に炎症や変形と共に激しい痛みが起こる。
浮き指や外反母趾で重心がかかとに片寄り、その左右差によって恥骨結合部にもズレ、歪みなどの左右差が起こる。左右差が著しいと、恥骨結合部で骨と軟骨がこすれる度合いが大きくなる。これが「恥骨結合炎」を起こす人と起こさない人の違いであり、原因のはっきりしない、負傷の瞬間を特定できないスポーツ障害の隠れた原因、本当の原因が足裏の異常にあることに気づくことである。
はっきりとした原因がない、負傷の瞬間を特定できないスポーツ障害を、人間の土台となる足裏のバランスから診断したり治療していくという重力とのバランス医学が必要です。これら負傷の瞬間を特定できない「スポーツ障害は予防が難しい」というのが現在のスポーツ医学であるが、重力のバランスを一番多くコントロールしている足、その浮き指、外反母趾、扁平足など、人間の土台となる足裏を診ることによって「スポーツ障害の予防が可能」になる。ここに大きなメリットがあるのです。