うつと浮き指

私は接骨院を経営して40年、初検だけでも11万人以上の患者さんを診てきました。患者さんの多くが原因のはっきりしない痛みや体の不調を訴える人達です。これらの痛みや不調に対し、独自の考えで人間の土台となる足裏から原因を重力とのバランスで追究してきました。それは、医学書や参考文献にはなかったので、先入観なく追究、研究することができたのです。

接骨院にも腰痛や首の異常を訴えて来院してくる患者さんの中には、すでに「うつ」と診断された人も多く含まれています。その人達の足を調べると90％以上に浮き指、外反母趾、扁平足が見られます。
特に中高年女性は、リウマチと異なる首ヘバーデン（手の指先に起こる骨の変形＝ヘバーデン結節）が首にも起こり、首の異常と共にうつを発症しています。 若い人では、浮き指、外反母趾、扁平足により重心がかかとに片寄り、その左右差を伴って足裏が不安定になっています。その足裏の不安定を効率性から首が補うため、首にズレ（歪み）が起こり、そこへかかと重心によるかかとからの過剰な衝撃波やねじれ波が首に繰り返された結果、首に異常を訴え、首のこりと共に、肩こり、頭痛、めまい、不眠などを訴えているのです。 うつを発症した者、その90％以上に中高年であろうと若い人であろうと、又学生であっても足裏に不安定があり、その不安定を首が補った結果なのです。足と頚に本当の原因が隠れているのです。私はこれを「足頚性うつ」と名付けています。 首の異常は、頚椎と頭蓋骨の接続部に起こるズレ（歪み）や変形による炎症、微細な疲労骨折、骨損傷、首ヘバーデンによる骨破壊などで、Ｘ線やＭＲＩでは見つけづらい損傷です。この首の異常が、首や肩の筋肉を緊張、硬直させ、首こり、肩こり、頭痛、めまい、不眠を伴う「うつ状態」を発症させているのです。

症状

首こり、肩こり、頭痛、めまい、不眠、胃腸の働きが弱い、冷えなどの自律神経失調症や腰痛、ひざ痛などの関節の痛みを伴ったうつ状態のことです。

原因

浮き指、外反母趾、扁平足により重心がかかとへ片寄り、その片寄りは左右差を伴うため人間の土台となる足裏が不安定になる。この足裏の不安定を、重力とのバランスを保つ効率性から、脊椎の最上部となる頚椎1番と頭蓋骨の接続部が補い、この部分に異常が起こり、自律神経を誤作動させた結果です。「足頚性うつ」は自律神経失調症のひとつの症状なのです。