扁平足

足の痛みなどで整形外科を受診し、原因は「扁平足だから」と言われることが少なくありません。ではどうして扁平足になるのか？大きく分けると、先天性と後天性に分けられますが割合的には1：9で後天性が多いです。扁平足と診断された人の多くは本当の「扁平足」ではないのです。

先天性となる扁平足は足を浮かしていても扁平足です。後天性の扁平足は足を浮かしている時は普通に見え、立って体重が加わった時に扁平の度合いが増すというのが特徴です。
本当の扁平足は先天的（生まれつき）な形状を指すので、実際に「あなたは扁平足です」と言われた人の中でも1/10くらいの数です。
そして今、扁平足と言われている人の多くが外反浮き指による後天性の扁平足です。一般的には「外反扁平足」とも呼ばれていますが、実際には常に浮き指が加わっているため、我々はこれを新しい言葉で「浮き指扁平足」と呼んでいます。

23才女性【外反扁平足】

【浮き指扁平足】

症状

「疲れ易い」「転びやすい」「足が痛い」「歩行が不安定」など多彩な症状を訴える場合があり、足裏の不安定を補って一般的に「小太り寸胴体型」となることが多い。すねやふくらはぎの筋肉も張り易く、むくんだり、冷え易くなり免疫力も低下してしまいます。
特にひざ痛、Ｘ脚、腰痛、変形性股関節症、首の異常と共に、首こり、肩こり、頭痛、めまい、不整脈、血圧異常、胃腸の働きが低下するなどの自律神経失調状態や足と首の異常が原因となる「足頚性うつ状態」を発症してしまいます。先天性と後天性の判断法は、足を浮かしていても扁平足になっているかどうか、立った時のみ扁平足になるのが後天性扁平足の特徴です。
また、浮き指扁平足では舟状骨が外側に出っ張り、アーチ機能が著しく低下しています。

原因

先天性の原因として「先天性垂直距骨(すいちょくきょこつ)」などがあり、レントゲンやＭＲＩ・ＣＴ検査などで特定できます。後天性の原因として「足根骨癒合症(そくこんこつゆごうしょう)」や「外脛骨(がいけいこつ)障害」に伴い発生します。しかし最も多い原因は「浮き指」や「外反母趾」による足裏の機能低下・発達不足にあります。「浮き指」「外反母趾」は足指を踏ん張らず、趾の付け根を強く打ちつける歩行（浮き指歩行）となり、次第に横アーチを形成する靭帯や筋肉が弛み、中足関節が伸び切って横アーチが低下し、縦アーチも崩れていきます。これが、いわゆる「扁平足」と言われています。

先天性の本当の「扁平足」は一割程度で、残りは「浮き指」「外反母趾」など足裏の機能低下によるものだったのです。
重要なのでもう一度言います。先天性となる扁平足は足を浮かしていても扁平足です。後天性の扁平足は足を浮かしている時は普通に見え、立って体重が加わった時扁平足が増すというのが特徴です。

対処法

先天性で医療的処置が必要な場合は、専門医の指示に従うのは言うまでもありません。先天性で医療的処置が不必要な場合や外反母趾や浮き指が原因となる後天性の場合、痛みを伴わない場合は「痛みのない場合のテーピング法」、痛みを伴う場合は「痛みのある場合のテーピング法」を行う。

痛みのない場合のテーピング法

痛みのある場合のテーピング法

テーピングが難しいという場合は「３本指テーピング靴下」を着用し、足指を踏ん張り「足底筋群(そくていきんぐん=足指を屈曲させる筋肉の総称）」の発達を促します。６ヶ月～１年で足指の踏ん張る機能が発達していきます。足底部アーチは足指を踏ん張ることで構築されるのです。
また、扁平足は免震機能（クッション作用）が著しく低下しているので、これを補うため「人工筋肉素材の免震インソール」を使用して、足、ひざ、腰、首を守ることが必要不可欠です。若い人では足裏を刺激して足底筋群を発達させる目的で足つぼインソールをお勧めします。